Voyager

One

「真実はいつも一つ」

でもそれが本当に実現されるためには

場に出た「いくつかの真実」における

対話と共有が必要なのであり

真実がどこにあるのかを互いに考えあう者たちにこそ

初めて「一つの真実」が導かれる

 
静寂

冷たい水の上を流れて

沈み 浮かび
また沈み また浮かび

光の反射が
瞼に映し出すのは

小さな影

目を閉じて
見つめるのだ

ざわめき

雨上がりの草原を駆けぬけ

擦りむき 立ち上がり
また擦りむき また立ち上がり

雫の反射が
瞳に映し出すのは

小さな背中

目を開けて
見つめるのだ
 
心の広さになんて必ず限りがあって

一人よがりの理屈ばかり膨らませていると

他に膨らませるべき大事なものが

いつの間にか押し出されてしまうの

そんなによく膨らむのなら

そのままどこかへ飛ばせればいいのに
 
真夜中にひとり
ひょっこりと降りてきた雪

静かな静かな風にゆられて
とあるお庭に辿り着いた

その庭の芝生はとてもふかふかしていて
雪はそのままうとうとと眠りについていた

長旅を思い返す間もなく

やがて小さな町が目を覚ます頃
雪の姿は儚くなっていた

「またおいで」と
芝生は心の中でささやいた

次の旅に出たことを
雪の残り香が伝えていたから
 
確固たる絆にただ一つ必要なのは 確固たる両端の存在
 


「この夜ももうすぐ 真っ白に明けるのだけど

このままもう少しだけ 照らしていたい場所があるから」
 
「未来」を考えるのは得意なくせに

「予定」を考えるのが下手な自分

高い空ばかり恋しがって

足元の小石につまずく自分
 
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  • Author: いじゅ
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